腰椎椎間板ヘルニアとは?
腰椎椎間板ヘルニアは椎間板内の髄核が繊維輪を穿破して、脊柱管内に突出もしくは脱出して、神経組織を圧迫することで、腰痛や下肢痛など症状を生じる疾患です。
腰椎椎間板ヘルニアの有病率はおおよそ1%程度と言われており、日常診療でよくみかける疾患です。
突出あるいは脱出したヘルニアも自然吸収されることが知られており、約60%が自然退縮されるといわれております。吸収される時期としては3ヶ月以内が多いと言われてます。
吸収されやすいヘルニアのタイプとしては後縦靭帯を穿破したsequstration typeや大きいヘルニアほど吸収されやすいと報告されています。
腰椎椎間板ヘルニアの治療法
腰椎椎間板ヘルニアは吸収される可能性がたかいので、まずは保存療法が第一です。
保存療法としては薬物療法、装具療法、ブロック療法などがあります。保存療法の中心は薬物療法で、NSAIDや神経障害性疼痛治療薬、SNRIなど手術の薬剤を用いて、腰痛、下肢痛などの症状を軽減させます。
ただし、保存療法を行っても、症状の改善のない症例や下肢の麻痺などが出現する場合は手術療法が選択されます。
保存的加療を行っても、手術に至るのは20%-50%と幅があり、症状の強さが関連しております。
椎間板内酵素注入療法
2018年からは本邦で開発された椎間板内酵素注入療法が保険適応となってます。保存療法で改善しない症例に対して、直接椎間板内にコンドリアーゼを注入することで椎間板内圧を減少させヘルニアの縮小、症状の軽減させる治療法です。低侵襲な治療法として注目されております。