大腿骨近位部骨折に対する二次骨折予防継続管理料

骨粗鬆症

2022年の診療報酬の改定で、ついに大腿骨近位部骨折に対する二次骨折予防継続管理料が新設され、算定できるようになります。(椎体骨折に対しては算定できないのが残念ですが、骨粗鬆症の治療継続のためには大きな一歩だとおもいます。)

イ 二次骨折予防継続管理料1 1000点

イについて厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして、保険医療機関が厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者であって、大腿骨近位部骨折に対する手術を行ったものに対して、二次性骨折の予防の目的として、骨粗鬆症の計画的な評価および治療等を行った場合に当該入院中に1回に限り算定する。

主に救急病院などで、大腿骨近位部骨折に対する手術を行っている病院での算定になるようです。早期手術とあわせると5000点の加算になりますので、大腿骨近位部骨折に対する早期治療、骨粗鬆症の治療介入がスムーズに行くとよいですね。FIX and Treatです。

ロ 二次骨折予防継続管理料2 750点

ロについて厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして、保険医療機関が厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者であって、ほかの医療機関において、イを算定したものに対して、継続して骨粗鬆症の計画的な評価および治療等を行った場合に当該入院中にイについて厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして、保険医療機関が厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者であって、大腿骨近位部骨折に対する手術を行ったものに対して、二次性骨折の予防の目的として、骨粗鬆症の計画的な評価および治療等を行った場合に当該入院中に1回に限り算定する。

リハビリ

主に回復期病棟などリハビリ病院で算定できる加算だと考えます。いままで骨粗鬆症の治療を追加してもリハビリ病院に行った際に勝手に切られて、外来受診されたときに骨粗鬆症の治療がされてないことに気づいたときは悲しい気持ちになりました。今度からはリハビリ病院でも治療継続されることが期待できます。

ハ 二次骨折予防継続管理料3 500点  

ハについて厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして、保険医療機関が厚生局長等に届け出た保険医療機関において、入院中の患者以外の患者であって、

イを算定したものに対して、継続して骨粗鬆症の計画的な評価および治療等を行った場合に、初回算定の属する月から起算して1年を限度として、月1回に限り算定する。

診療所

退院後に外来での骨粗鬆症の継続させるための管理料ですね。高血圧や糖尿病などは生活習慣病指導管理料がありますが、整形外科領域では管理料がなく、骨粗鬆症の治療もアドヒアランスが悪いことが問題でしたが、今回の加算によって骨粗鬆症の治療の継続率が上がることが期待されます。

通知!!

(1)二次骨折予防継続管理料は、骨粗鬆症の治療による二次性骨折の予防を推進する観点から、骨粗鬆症を有する大腿骨近位部骨折に対して早期から必要な治療を実施した場合について評価を行うものである。大腿骨近位部骨折患者に対して、関係学会のガイドラインに沿って継続的に骨粗鬆症の評価を行い、必要な治療等を実施した場合に「イ」および「ロ」については入院中に1回、「ハ」については初回算定日より1年を限度として月に1回限り算定する。

(2)「イ」を算定した患者が当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に転院した場合又は同一の保険医療機関のリハビリテーション医療等を担う病棟に転棟した場合において「ロ」は算定できない

(3)「イ」又は「ロ」を算定した患者が退院し、入院していた保険医療機関と同一の保険医療機関又は当該保険医療機関と特別な関係にある保険医療機関の外来を受診した場合について、「イ」又は「ロ」を算定した同一月においては「ハ」は算定できない。

(4)「イ」については関係学会より示されている「骨折リエゾンサービス(FLS)クリニカルスタンダード」及び「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」に沿った適切な評価および治療等が実施された場合に算定する。

(5)「ロ」および「ハ」は関係学会より示されている「骨折リエゾンサービス(FLS)クリニカルスタンダード」及び「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」に沿った適切な評価および治療効果の判定等、必要な治療を継続して実施した場合に算定する。

(6)当該管理料を算定すべき医学管理の実施に当たっては、骨量測定、骨代謝マーカー、脊椎エックス線写真等による必要な評価を行うこと。

通知から、大腿骨近位部骨折術後に薬価のやすいビタミンD製剤のみを処方しても、二次骨折予防継続管理料を取ることは厳しいでしょう。ガイドラインなどで大腿骨近位部骨折に対する予防効果のエビデンスのあるビスフォスフォネート製剤を処方する必要があります。プラリアはガイドラインではAAA評価のすばらしい薬剤ですが、薬価が高いこと、リハビリ病院に行った際に算定が取れない(投与期間が6カ月後になるので)などの問題があるので、使いにくいです。

骨粗しょう症ガイドライン
骨粗しょう症の予防と治療ガイドライン2015年より

施設基準届出

(1)当該保険医療機関内に、以下の職種が連携して診療を行う体制が整備されていること。

ア 骨粗鬆症の診療を担当する専任の常勤医師

イ 専任の常勤看護師

ウ 専任の常勤薬剤師

(2)(1)のウに揚げる専任の常勤薬剤師については、当該保険医療機関内に常勤の薬剤師が配置されない場合に限り、地域の保険医療機関等と連携し、診療を行う体制が整備されていることで差し支えない。

(3)当該保険医療機関において、「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」および「骨折リエゾンサービス(FLS)クリニカルスタンダード」を参照にした上で、院内職員を対象とした「骨粗鬆症に対する知識の共有とFLSの意義について」の研修会を年1回以上実施すること。

(4)二次骨折予防継続管理料1については急性期一般入院基本料、地域一般入院基本料又は7対1入院基本料若しくは10対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料に限る。)に係る届出を行っている保険医療機関の病棟であること。

(5)二次骨折予防継続管理料2については、地域包括ケア病棟入院料、地域包括ケア病棟入院医療管理料又は回復期リハビリテーション病棟入院料に係る届出を行っている保険医療機関の病棟であること。

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